虫歯予防・小児歯科にチカラを入れている、高知県高知市の松木歯科医院

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世界が薦めるむし歯予防法のランキング

FDI(国際歯科連盟)が薦めるむし歯予防法ランキング

1位       水道水フロリデーション(水道水フッ化物濃度適正化)
2位       フッ化物添加食塩、学校給水のフッ素濃度適正化           
3位       フッ化物洗口
4位       フッ化物配合歯磨剤
5位       歯科保健活動
6位       非う蝕誘発代替物(キシリトール、パラチノースなど)
7位       フッ化物配合シーラント

※「フッ化物」とはむし歯予防に使用されるフッ素のことです。

日本では残念ながら、今のところ1位、2位ともに実施されていません。そのため、4位以降の方法でむし歯を予防していくことになります。

日本でできるむし歯予防方法で最もお勧めなのが、フッ化物洗口(いわゆるフッ素のうがい)です。なぜお勧めかというと、むし歯予防効果が(1、2位を除くと)最も高いからです。

日本の進めてきたむし歯予防法である歯みがきと甘味制限はこのランキングには入っていません。不思議に思うかも知れませんが、これが世界のむし歯予防法ランキングです。 

歯ブラシによるむし歯予防の限界

歯ブラシが届く部分はプラークが除去でき、むし歯を防ぐことができます。
しかし、歯には形態的に歯ブラシが届かない部位があります。このような部位のむし歯予防は歯ブラシでは困難だと思われます。


WHOは歯みがきによるむし歯予防効果は疑問であるとしています。岡山大学予防歯科学教室の渡邊教授が検索した結果によると次の表に示すように、Fosdicという人が1950年に報告したもの以外、歯みがきによりむし歯が予防できたという論文はありません。

ただし、歯みがきの時にフッ化物配合歯磨剤を併用したときは次の表に示すようなむし歯予防効果が認められています。

報告者 報告年 国名 期間 平均年齢 う蝕予防効果
Fosdic 1950 アメリカ 2年 23歳
Horowitz 1977 アメリカ 2年8ヶ月 10〜13歳
Mckee 1977 アメリカ 3年半 10〜12歳
Silverstein 1977 アメリカ 2年半 12歳
Axelsson 1977 スウェーデン 4年 7〜13歳 有(フッ化物使用)
Agerback 1978 デンマーク 2年 7歳
Axelsson 1977 スウェーデン 3年半 20〜71歳 有(フッ化物使用)
岩本ら 1978 日本 2年 3〜5歳 有(フッ化物使用)
岩崎ら 1983 日本 3年 2歳

 

特に決定的な報告は1977年のホロビッツの調査です。歯みがきによるむし歯予防効果が認められないのは、歯みがきの仕方がいい加減だったからではないかという恐れがありました。
そこでホロビッツの調査では、389人を対象に、

  1. 毎日、学校でプラークの染め出しをし、歯ブラシはもちろんフロスも用いて15分間の歯みがきを行ってもらい磨き残しの無いようにしました。
専門家に立ち会ってもらって、キチンと磨けているかチェックしました。
以上のこと2年8カ月間実施しました。

これだけ徹底的に歯みがきをした結果どうだったでしょうか?

その結果は、歯垢と歯肉炎は減ったが、むし歯の発生には効果がなかったという驚くべき結果が出たのです。この論文により、歯みがきでむし歯予防という論争については決着がついてしまったのです。以後、歯みがきだけでむし歯が防げるかという実験は意味がなく、むしろ必ずむし歯が発生してしまうことが明らかなため、そのような実験は非人道的な実験とまで言われるようになっています。

しかしながら、歯みがきは歯周病予防には明らかな効果があり、フッ素配合歯磨剤を併用したときはむし歯予防効果も認められています。そこで専門家たちは考えました。歯みがきはむし歯予防に効果がないので止めるのではなく、歯みがきは習慣化しているので、これを利用し、そのときにフッ素配合歯磨剤を使用するようにすれば歯周病予防、むし歯予防両方に役立つのではないかと・・・

つまり簡単に言えば、フッ素を使わない歯みがきは損だということです。

 

世界のフッ化物の利用状況

2001年の世界のフッ化物の利用状況は以下のようになっています。

 

フッ化物応用法 人数(概数)
水道水フロリデーション 3億人
フッ化物添加食塩 9700万人
フッ化物添加ミルク 20万人
フッ化物洗口 1億人
フッ化物配合歯磨剤 15億人
フッ化物歯面塗布 3000万人

(「世界でのフッ化物利用状況」British Dental Journal,191(9)2001より)

 

人口の半数以上に水道水フロリデーションが行われている国(2001年)

シンガポール 100%
香港特別行政区 100%
マレーシア 70%
アイルランド 70%
オーストラリア 67%
アメリカ合衆国 62%
ニュージーランド 60%

(アメリカCDCのフロリデーションのパンフレットの表紙)

世界ではフッ化物の利用が進んでいるのに対し、日本ではあまり進んでいない理由としてフッ素に対して根拠のない危険性(発癌性など)を訴え反対している人たちがいることがあげられます。これに対し、『不思議の国の不思議な医療』(日経ビジネス 2001)のなかで、田辺功氏(朝日新聞東京本社科学部編集委員)は

「むし歯予防のためのフッ素使用は世界では一般的だ。米国の癌対策は日本より進んでいる。むし歯が予防できるからとWHOや米国が、癌が増えるのに水道水フッ素化をすすめていると、日本の消費者は本気で信じているのであろうか。戦後の沖縄県では広く水道水のフッ素化が進められていたけれど、沖縄県は今でも癌の少ない健康県だ」

と述べています。

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